研修医の頃

昨日から新年度。新元号をすっかり忘れて診察していましたが患者さんが令和に決まりましたよ。と教えてくれました。まだ慣れないですがだんだんとなじんでいくんですよね。
なんとなく4月で春になりぼんやりと自分が医者になった頃を思い出していました。それまでは医師国家試験のためずっと勉強していましたが4月1日に入職し久しぶりに白衣を着るようになりました。それまでは東京にいましたが合格発表を確認しすぐに引っ越しです。
引っ越し先は勤務先の病院を道を挟んで向かいです。徒歩1分もかからない近距離でした。
私は同期は8人、みんな研修医で長野出身がほとんどでした。長野の病院だったので。
簡単なオリエンテーションをすませて翌週から私は1ヶ月間血液内科で研修することになりました血液内科では骨髄移植もしており移植センター含め多くの患者さんか入院しています。
先月まで学生であり医師免許は取得したものの半人前の研修医の最初の仕事は朝のバイタルチェックと採血でした。バイタルチェックとは血圧や体温を測ったり聴診や触診をし毎日の状態の検査です。血液内科は白血病やリンパ腫の方が多く貧血になっていたり毎日の採血や治療の影響で血管がもろくなりすぐに内出血してしまう方もいらっしゃいました。練習として研修医同士採血するんですがまだなれないんです本当に痛いです。お互いが採血の練習をしたいもののするからには逆に採血の実験台にならないといけないため声をかけていいのか微妙な空気が研修医室には漂っていました。

ただ毎日10人位採血するとだんだんとうまくなってきます。がっしりとして血管が浮き出ているような中年男性は失敗しにくいです。年配の方は針が血管に入っても十分取る前に血管が潰れたり、痩せてると細い血管が逃げる型になり取りにくい事は多いです。またまた、太った方は血管が肉におおわれて見えずらく大変だったりもしてます。何度も失敗して、上の先生にお願いしたいと言われたり、患者さんからここの血管がいいよ、なんて教えてくれることもありました。最初の数週間は頭は採血のことばかり。街を歩いていてもちょっと腕を見るとあの人は失敗しないだろうな、とかやるとしたらあの血管かななんて人とまず血管を見てしまうという癖がつきました。
この時期病院に入院するとまだ成り立ての研修医が緊張して採血しにくるかもしれません。

吉祥寺いろはメンタルクリニック 日比慎太郎