夜の病院

医者になると比較的早く当直を任されることになります。400人の患者さんが入院している精神科病院に医者1人。慣れると残った書類や仕事をして過ごしたりできますが、医者になりたての頃は結構緊張したものです。患者さんが急変したこともあれば当直室が突然停電になったり。ベテラン看護師さんが当直室近くの自動販売機から手が見えることがあると話したり。やけに寒いと思ったらカーテンの外は窓が開けっぱなしであったり。1番きつかったのは雨の夜にGが多数出現したことでした。寒い地方の地元ではGはあまりでず、ネズミはでましたが当初は都会のコオロギは大きいなあと思ってました。それが一度に何匹も出た際は気づきます。これはコオロギではない!その夜は眠れず朝まで過ごしました。不思議な出来事としては当直室にノックされる音が、はい。と開けてみても誰もいません。また、ノックがありましたが誰もいません。そんなことが繰り返された夜がありました。そんな日に限って亡くなった方が、、、特にいませんでした。なんだったんだろう。ただ私が当直の日は急変や亡くなる方は比較的多かった気がします。なんだったんでしょう。

吉祥寺いろはメンタルクリニック 日比慎太郎