なぜ心療内科、精神科医になったのか?
時々ですが、患者さんや色々な人になぜ心療内科医や精神科医になったんですか?と聞かれることがあります。
バシッと答えられればいいのですがいつもうまく答えられず曖昧になったりしてしまいます。でも良く考えるとルーツは自分の専門科を考える研修医のころにあると思います、
私が大学を卒業して始めて医師として勤務したのは長野赤十字病院でした。長野駅からも近く、長野市では1番大きな総合病院で夜間救急センターも多くの患者さんが来院されていました。そこで多くのかっこいい素敵先生方と出会うのですが、皆忙しくやや疲れてはいました。
夜間救急センターには1日3-5台位救急車にて心肺停止状態の方、心筋梗塞、脳出血等命に関わる方も多く搬送されていました。同時にインフルエンザや外傷の方も歩いて来院されます。
そんな救急センターに研修医も勤務するのですが、まだ多くのことはできません。下手すると足手まといです。当直明けにまた手術に入りうとうとしかけて注意されたり、無駄に転んだりなんてよくありました。
そんな中、よく担当したのはこころの心配で来院した患者さんでした。上級医は命に関わる病気を担当している際、研修医は少し時間がある存在でした。多くの患者さんと接してあまり多くのことはできませんでしたが話を聞くことで楽になったと感謝してくださる患者さんもいてその時に初めて医者になった感じがしました。そんな夜間診療を続けていくことで心療内科精神科医を目指すようになりました。
医者になったからにはメスを握った方がいいよとアドバイスもされたのですが、今は充実しており、今のところこの科を選んで良かったなと思っております。
日比慎太郎